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リワーク装置とは?

リワーク装置とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、リワーク装置がどのような作業をする際に必要で、どんな種類があるのか、リワーク装置の基本的な情報についてまとめています。

リワーク装置とは不良基板を部分的に修復できる装置のこと

リワークとは、「直す・修理する」を意味します。リワーク装置とは、一言でいうと「不具合のある基板を直す装置」です。BGAなどにおいて、不具合の部品を取り外して、さらに取り付けることができる装置のことをいいます。

これまで、BGAなどの部品の不具合が起こると、BGAだけを交換すれば直る場合でも、基板をそのまま廃棄していたケースがほとんどでした。しかし、基板やその他の部品の価格が上がっていること、また、直して使用することで環境にもよいということなどから、「壊れている部品だけを交換して基板を使用する」というように、世の中の流れが変わってきました。

リワーク装置とはんだごての違い

BGAやCSPなどはんだ接合部が隠れてしまう表面実装部品は、従来のはんだごてなどではんだを溶かすことは困難です。そのため、基板に不具合が起こった場合、再度基板をリフロー炉に流してはんだを溶融させてから部品を取外し、取付けの際にまたリフロー炉に流すという方法しかありませんでした。しかし、この方法だと不具合のある部品以外のはんだも溶けてしまい、部品のズレが起こってしまいます。また、何度もリフロー炉に流すことにより、部品の耐熱性への影響なども懸念されていました。

しかし、リワーク装置によって、不具合がある部品のみを局所的に加熱することができるようになり、こうした問題点が解消されるようになりました。

こうした装置は、リワーク装置のほか、リペア装置やリワークステーションなどとも呼ばれていますが、呼び方が違うだけで、基本的な役割や構造は同じです。

リワーク装置メーカー・リワーク装置
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リワーク装置とリワークステーションの違いとは?

リワークに関する機器の名称には、「リワーク装置」「リワークステーション」「リペア装置」など複数の呼び方があり、混同されやすいですが、実際にはその用途や規模、自動化の度合いに違いがあります。

リワーク装置とは、一般的に据え置き型で中~大型の筐体を持ち、BGAやQFNなど高密度部品のリワークを高精度かつ再現性高く行うための装置を指します。自動アライメント機能や温度プロファイル制御、部品吸着・脱着を自動で行う機構を備えており、量産ラインでの使用や、高歩留まりが求められる現場で導入されることが多いのが特徴です。

一方、リワークステーションは、よりコンパクトな卓上型の機器構成を指すことが多く、はんだこてやホットエアツール、吸取器などを組み合わせた作業環境のことを意味します。操作は手動~半自動で行うのが基本で、小ロットや試作基板、修理品など、オペレーターの熟練技術を活かして柔軟に対応する用途に向いています。

両者は明確な規格上の区分があるわけではなく、メーカーによっては同じ意味で使用されていることもありますが、自動化の度合いや対象とするリワークの規模によって呼び分けられているケースが多いです。

観点 リワークステーション リワーク装置
主な使用環境 修理・試作・少量生産 量産ライン・大規模対応
操作方式 手動または半自動 自動化・プロファイル制御
設置形態 卓上型・コンパクト 据え置き型・大型
対応作業 多品種少量・柔軟な作業 高精度・高再現性が必要な作業

リワーク装置を検討する際は、作業の種類や数量、要求される精度、作業者の熟練度などを踏まえて、ステーション型で対応できるのか、フルオート型の装置が必要かを見極めることが重要です。

リワーク装置の種類

基板サイズで分類

リワーク装置は、基板のサイズによって、小型、中型、大型、超大型に分けられます。小型で対応できる基板サイズの目安は330×250、中型は500×400、大型は600×500、超大型は700×650。卓上式や据え置き式、ポータブルタイプなどもあるので、使用する環境に合わせて選ぶことができます。

加熱方法で分類

また、リワーク装置の加熱方法にも、赤外線(IR)方式、熱風方式、ホットプレート方式、光ビーム方式などの種類があります。

赤外線方式は、リワーク装置に取り付けられた遠赤外線ヒーターを熱し、その放射熱で基板を温め、リワークを行うという方法。片面ではなく両面から熱を加える方式が主流で、詳細な温度管理をしたい場合には温度センサを貼り付けることで、厳格なプロファイル温度管理も可能になります。

熱風方式は、リワークする部分に熱風を当てて加熱する方法。加熱/温度管理するエリアを細かく分けてプロファイル温度設定をできるものもあり、BGAなどの条件の厳しいパッケージや、シビアな温度管理にも対応することが可能です。

ホットプレート方式は、加熱面積の異なる複数の小型のプレートを交換して局部加熱を行う方法で、光ビーム方式は、光源にハロゲンランプを使い、小さなスポットに集光して熱を発生させる方法です。

ここでは、リワーク装置を導入するにあたって、リワーク装置とはどういうものか、どのような種類があるのか、などについて解説しました。

その他のページでは、リワーク装置メーカーやリワーク受託業者(EMS)の特徴、リワークの基礎知識からリワーク装置の選び方まで、リワークにまつわることを幅広く紹介しています。

トップページではおすすめのリワーク装置メーカー3社を「特徴別」に紹介していますので、メーカー選びの参考にしてください。

メーカーと装置の特徴で選ぶ
おすすめリワーク装置メーカー3選

【対象製品別で
分かりやすい!】
リワーク装置メーカー/
取り扱い業者3選

リワーク装置の新規導入・追加(入れ替え)にあたって、リワークが必要な対象製品ごとに、
おすすめのメーカー(海外メーカー代理店含む)及び製品をご紹介しています。
基盤が使われている製品によって特徴や仕様が大きく異なるので、
適切なリワーク装置を導入して作業効率の最適化を図りましょう。

素早く大量に修理を行う
家電・自動車部品向け
メイショウ
メイショウ_MS9000SE
引用元:メイショウ公式HP
(https://www.e-meisho.co.jp/topproducts/次世代リワーク装置 ms9000se pc/)
製品名:MS9000SE
おすすめの理由
作業時間と教育コストを大幅カット!
  • 自動位置合わせ機能により、スキルレベルに依存せず品質を担保。さらに複数人作業時の仕上がりのバラつきも予防
  • サンプル基盤不要の温度プロファイリング自動取得機能と非接触吸引ノズルにより、短時間ではんだクリーニングが可能。ランドパターン剥離の心配もなし。

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大型基板や特殊部品の多い
工業用FA・産業機械向け
Ersa
(代理店:ダイナテックプラス)
ダイナテックプラス_HR 600 XL
引用元:ダイナテックプラス公式HP
(https://dynatechplus.co.jp/rework-systems)
製品名:HR 600 XL
おすすめの理由
規格外品や特定条件にも柔軟に対応!
  • 縦横625mm/厚み10㎜までの大型基板や、鉛フリーBGAにも対応。
  • 下中波長IRヒーターにより大幅に⊿tを抑え、熱疲労による破損リスクを低減。上部にIR+エア式800W、下部にIR600W×25個を搭載し、大型基盤でも同時複数個所の作業が可能。

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緻密精巧な作業を要する
医療・通信機器向け
ジャパンユニックス
ジャパンユニックス_JNA-9B
引用元:ジャパンユニックス公式HP
(https://store.unixjbc.jp/item/149/)
製品名:JNA-9B
おすすめの理由
ミリ単位の職人技をハードでサポート!
  • ヒーティングエレメントのノズル径はわずか1.0mm、こて先からグリップまでの距離も最小18mmまで縮小することで、0402/01005などの極小チップのはんだ付けに対応。
  • HDI基板やSMD部品の交換など、拡大鏡を用いる手作業に真価を発揮。

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