リワーク装置とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、リワーク装置がどのような作業をする際に必要で、どんな種類があるのか、リワーク装置の基本的な情報についてまとめています。
リワークとは、「直す・修理する」を意味します。リワーク装置とは、一言でいうと「不具合のある基板を直す装置」です。BGAなどにおいて、不具合の部品を取り外して、さらに取り付けることができる装置のことをいいます。
これまで、BGAなどの部品の不具合が起こると、BGAだけを交換すれば直る場合でも、基板をそのまま廃棄していたケースがほとんどでした。しかし、基板やその他の部品の価格が上がっていること、また、直して使用することで環境にもよいということなどから、「壊れている部品だけを交換して基板を使用する」というように、世の中の流れが変わってきました。
BGAやCSPなどはんだ接合部が隠れてしまう表面実装部品は、従来のはんだごてなどではんだを溶かすことは困難です。そのため、基板に不具合が起こった場合、再度基板をリフロー炉に流してはんだを溶融させてから部品を取外し、取付けの際にまたリフロー炉に流すという方法しかありませんでした。しかし、この方法だと不具合のある部品以外のはんだも溶けてしまい、部品のズレが起こってしまいます。また、何度もリフロー炉に流すことにより、部品の耐熱性への影響なども懸念されていました。
しかし、リワーク装置によって、不具合がある部品のみを局所的に加熱することができるようになり、こうした問題点が解消されるようになりました。
こうした装置は、リワーク装置のほか、リペア装置やリワークステーションなどとも呼ばれていますが、呼び方が違うだけで、基本的な役割や構造は同じです。
リワーク装置は、基板のサイズによって、小型、中型、大型、超大型に分けられます。小型で対応できる基板サイズの目安は330×250、中型は500×400、大型は600×500、超大型は700×650。卓上式や据え置き式、ポータブルタイプなどもあるので、使用する環境に合わせて選ぶことができます。
また、リワーク装置の加熱方法にも、赤外線(IR)方式、熱風方式、ホットプレート方式、光ビーム方式などの種類があります。
赤外線方式は、リワーク装置に取り付けられた遠赤外線ヒーターを熱し、その放射熱で基板を温め、リワークを行うという方法。片面ではなく両面から熱を加える方式が主流で、詳細な温度管理をしたい場合には温度センサを貼り付けることで、厳格なプロファイル温度管理も可能になります。
熱風方式は、リワークする部分に熱風を当てて加熱する方法。加熱/温度管理するエリアを細かく分けてプロファイル温度設定をできるものもあり、BGAなどの条件の厳しいパッケージや、シビアな温度管理にも対応することが可能です。
ホットプレート方式は、加熱面積の異なる複数の小型のプレートを交換して局部加熱を行う方法で、光ビーム方式は、光源にハロゲンランプを使い、小さなスポットに集光して熱を発生させる方法です。
ここでは、リワーク装置を導入するにあたって、リワーク装置とはどういうものか、どのような種類があるのか、などについて解説しました。
その他のページでは、リワーク装置メーカーやリワーク受託業者(EMS)の特徴、リワークの基礎知識からリワーク装置の選び方まで、リワークにまつわることを幅広く紹介しています。
トップページではおすすめのリワーク装置メーカー3社を「特徴別」に紹介していますので、メーカー選びの参考にしてください。
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2021年11⽉時点、Googleで「リワーク装置」と検索し、検索結果10ページまでに表示された、リワーク装置メーカー9社、リワーク受託業者(EMS)19社をこのサイトに掲載しています。
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【3社の選定理由】
メイショウ…「スキルレスな位置合わせ機能」「自動はんだクリーニング機能」「テスト基板不要の温度プロファイル機能」といった、スキルがない人でも操作可能な機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い(標準仕様)。
ダイナテックプラス…世界130ヶ国以上に装置を展開しており、ツール型からステーション型まで9種類の製品を提供している(2021年11⽉時点) 。
シンアペックス…「フルBGAパターン」「ペリメーターBGAパターン」「千鳥パターン」「リードパターン」といった、ピッチにあわせてはんだ除去する機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い。