基板のリワークは様々な場面でメリットを得られる技術ですが、一方で適切なスキルや作業環境の整っていない業者に依頼するとリスクばかりが増大して部品が損傷してしまう恐れもあります。このページでは、リワークのリスクについて解説します。
リワークで考えるべきリスクの1つが部品を外す際に発生するリスクです。リワークのために部品を外す場合、部品を固定している半田などを、専用のリワーク装置や半田ごてなどを使って加熱・溶解し、除去する作業が必要となります。この際、もしも設定や作業を誤れば部品に余計な熱ダメージを与えてしまいかねません。
また、その他にも基板がそもそも劣化していて、部品を外すことでぎりぎり保たれていた状態が致命的なダメージになってしまう恐れもあるでしょう。
安全に部品を外すことができたとしても、リワークを完了させようと思えば再び部品を実装しなければなりません。しかし、ここでも半田付けなどの作業が必要になるため、やはり熱ダメージといったリスクが生じます。
見た目には問題がないように思えても、実際に基板を動作させて初めて分かるトラブルもあり、チェックまで安心することはできません。
リワークが完了し、X線検査などでも問題ないと確認できたとしても、いざ納品した基板が正常に動作しないといったクレームにつながることはあります。
上述した通り、基板の外観に問題がなかったとしても、重要なポイントは基板が正常に動作するか否かです。
納品前の検査で大丈夫だと思えても、納品後の使用に問題が生じることもあり、油断することは禁物です。
リワークはどうしてもリスクと無縁ではいられません。どれほどベテランのエンジニアであったり、どれほど実績のあるリワーク受託業者であったりしても、思いがけない条件や偶然によって基板の損傷リスクが増大することもあります。
そのため、ひんぱんにリワークを依頼するような場合、いっそ自社でリワーク作業を自動化できるリワーク装置を導入するといった方法も1つです。
自社でリワーク装置を導入すれば、リワークが失敗しても時間のロスを抑えられる上、作業期間を抑えられるため納期短縮にもつながります。
当サイトではリワークにまつわる情報を集めていますので、ぜひ参考にしてください。
【サイトに掲載する会社について】
2021年11⽉時点、Googleで「リワーク装置」と検索し、検索結果10ページまでに表示された、リワーク装置メーカー9社、リワーク受託業者(EMS)19社をこのサイトに掲載しています。
本サイトに掲載する各社の情報は、公式HPを情報元としています。
【3社の選定理由】
メイショウ…「スキルレスな位置合わせ機能」「自動はんだクリーニング機能」「テスト基板不要の温度プロファイル機能」といった、スキルがない人でも操作可能な機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い(標準仕様)。
ダイナテックプラス…世界130ヶ国以上に装置を展開しており、ツール型からステーション型まで9種類の製品を提供している(2021年11⽉時点) 。
シンアペックス…「フルBGAパターン」「ペリメーターBGAパターン」「千鳥パターン」「リードパターン」といった、ピッチにあわせてはんだ除去する機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い。