基板リワークは、どのように進められるのでしょうか。ここでは、基板リワークが必要になる主な原因と基板リワークの基本的な流れを紹介しています。
基板リワークの「リワーク」は「修理」を意味します。基板リワークは、何かしらの原因で不具合が生じた基板を修理することといえるでしょう。不具合の原因は、ケースによりさまざまです。基板を修理するため、原因を突き止める必要があります。比較的、発生しやすい原因として以下のものがあげられます。
これらの中で、特に発生しやすいのがはんだ不良です。例えば、目視のみの検査で、不具合を見落としているケースなどがあります。部品の選定ミスも少なくありません。形状が同じだったなどの理由で、仕様の変更に対応できていないケースが考えられます。
不具合の原因は、これらだけに限られません。複数の原因が重複していることもあります。原因の特定は、リワークの第一歩です。まずは、現在の状況を踏まえて、原因を突き止めることが大切です。
コツは、溶かしたはんだをしっかりと吸い取ることです。うまく吸い取れない場合は、はんだ付けを改めて行ってから吸い取るとよいでしょう。ただし、具体的な取外し方は、部品により異なります。例えば、チップ部品は原則として、2つのこてで2つのパッドを加熱して外します。ホットピンセット(ピンセットタイプのはんだこて)があると作業を行いやすくなります。
熱の影響で、部品が不具合を起こす恐れがある点には注意しなければなりません。基板リワークを依頼する際には、熱に弱い部品がある場合など、留意点を伝えておくことでトラブルのリスクを最小限に抑えることができます。ただし、この場合も、トラブルを完全に防げるわけではありません。
次に、新しい部品を基板に取り付けます。取付作業は、リワーク装置またははんだこてで行います。具体的な取付作業は部品で異なりますが、基本的にははんだを使って固定すると考えておけばよいでしょう。取付作業でも、熱の影響で部品が不具合を起こす恐れがあります。そのため、適切な温度管理や熱対策を行うことが重要です。
新しい部品を取り付けてから、基板の実装状態を調べます。BGAリワークは、接合状態が見えないため、X線検査装置による検査、マイクロスコープによる確認が必要です。基板リワークで、不具合が発生していないことを確かめておきましょう。
基板リワークの不具合の原因は、ケースにより異なります。主な原因として、はんだ不良、部品の選定ミス、基板の不良があげられます。原因を突き止めてから、対処することが重要です。
基板のリワークでは、古い部品を新しい部品に取り替えてから検査を行います。リワーク装置があると、作業を効率よく進められるでしょう。
以下の記事では、おすすめのリワーク装置メーカーを紹介しています。気になる方は、こちらも参考にしてください。
【サイトに掲載する会社について】
2021年11⽉時点、Googleで「リワーク装置」と検索し、検索結果10ページまでに表示された、リワーク装置メーカー9社、リワーク受託業者(EMS)19社をこのサイトに掲載しています。
本サイトに掲載する各社の情報は、公式HPを情報元としています。
【3社の選定理由】
メイショウ…「スキルレスな位置合わせ機能」「自動はんだクリーニング機能」「テスト基板不要の温度プロファイル機能」といった、スキルがない人でも操作可能な機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い(標準仕様)。
ダイナテックプラス…世界130ヶ国以上に装置を展開しており、ツール型からステーション型まで9種類の製品を提供している(2021年11⽉時点) 。
シンアペックス…「フルBGAパターン」「ペリメーターBGAパターン」「千鳥パターン」「リードパターン」といった、ピッチにあわせてはんだ除去する機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い。