基板リワークとは不具合のある部品を新たに取り替える作業のこと。このページでは活用事例を詳しく解説しています。
基板リワークは、さまざまな状況での効果的な手段として利用されます。例えば、生産ラインでの初期検査において部品の搭載ミスや不良が検出されたとき、リワークによって大規模な不良品の出荷を未然に防ぐことができます。
また、長期にわたる製品テストやフィールドテストで問題点を洗い出し、製品の品質向上に繋げています。
部品が旧式で入手困難となった場合や、特定の部分だけ故障したときなど、製品全体を新しくするのではなくその部分だけをリワークすることで、コストを抑えつつ製品のライフサイクルを延長できます。
リワークによって製品全体の性能や耐久性を維持・向上できるのもメリットのひとつです。
基板の開発中に動作不具合が発生する、緊急の回路変更が必要となることも少なくありません。部品の変更や実際の使用中に問題が明らかになることもあるため、そういったトラブルに迅速に対応するための手段として、リワークは非常に有効です。
また、新しいものを一から作成するよりも、既存のものを修正する方が時間やコストの面で有利です。リワークを適切に活用することで、手間やコストを抑えながら、品質の高い製品を確実に提供することができるのです。
あるサービス業での基板リワーク事例です。EHP空調機が、インバーター基板の故障で作動停止となってしまいました。この空調機は営業に直接影響を与える重要なもので、早急な対応が求められていました。
しかし、この機種は製造から15年が経過しており、製造が終了していたため代替部品もなく修理が難しくなっていました。そこで、基板に致命的な損傷がないことを確認し、基板リワークを実施。繁忙期を迎えていたにもかかわらず、約1ヶ月以内での修理が完了し、空調機は再び正常に動作し始めました。
基板リワークによって、売上が一時的に途絶えていた状態から再び営業再開することができました。
参照元:設備の仕組み解説の館(https://setsubinoshinryoujyo.com/2023/04/28/基板修理(リワーク)の活用事例|業務用空調機/)
組み立て済みの基板のBGA部分に、異物が混入しているという例です。リワークを依頼された基板を目視で確認すると、BGAの右側がわずかに浮き上がっているのが発見されたそうです。
修正のために、BGAリワークを実施する必要がありました。BGAを一度取り外し、異物を除去した後でBGAをリボール、再度BGAを実装するという手順です。
実際にリワーク機を使用して加熱しBGAを取り外してみると、チップコンデンサが付着しているのが確認できました。部品の搭載時に何らかの原因でBGA部分に飛び移ってしまったものと考えられます。
最終的に異物を丁寧に取り除き、リボールを行ったそうです。その後、BGAを通常通り実装することで、基板は正常な状態へと復元されました。
参照元:株式会社工房 やまだ(https://studio-yamada.jimdo.com/remove-foreign-matter-under-bga/)
基板リワークはさまざまなシーンで活用でき、品質の維持と基板の再生に役立ちます。適切なリワーク作業を行うことが大切です。
本サイトでは確認しておきたいリワーク受託業者について、特徴やおさえておきたいポイントを含めて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。各社で対応している範囲・温度管理の方法などが異なるので、自社で求めているリワークに対応可能か事前によく確認が必要です。
【サイトに掲載する会社について】
2021年11⽉時点、Googleで「リワーク装置」と検索し、検索結果10ページまでに表示された、リワーク装置メーカー9社、リワーク受託業者(EMS)19社をこのサイトに掲載しています。
本サイトに掲載する各社の情報は、公式HPを情報元としています。
【3社の選定理由】
メイショウ…「スキルレスな位置合わせ機能」「自動はんだクリーニング機能」「テスト基板不要の温度プロファイル機能」といった、スキルがない人でも操作可能な機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い(標準仕様)。
ダイナテックプラス…世界130ヶ国以上に装置を展開しており、ツール型からステーション型まで9種類の製品を提供している(2021年11⽉時点) 。
シンアペックス…「フルBGAパターン」「ペリメーターBGAパターン」「千鳥パターン」「リードパターン」といった、ピッチにあわせてはんだ除去する機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い。