CSPは、半導体チップに近いサイズまで小型化された半導体パッケージです。スマートフォンやノートパソコン、通信機器、医療機器など、小型化・薄型化が求められる電子機器の実装に用いられています。
ここでは、CSPとは何か、CSP実装やCSP基板の特徴、CSPとBGAの違い、CSP基板をリワークする際の注意点について解説します。
CSPとは「Chip Scale Package(チップサイズパッケージ)」の略称です。半導体チップとほぼ同等のサイズまで小型化された半導体パッケージを指します。
パッケージそのものの実装面積を小さくできるため、電子機器の小型化・薄型化・軽量化に貢献します。携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、デジタルカメラ、通信機器、医療機器など、限られたスペースに多くの機能を搭載したい製品で使用されることが多い部品です。
一方で、CSPはサイズが小さく端子ピッチも細かいため、実装やリワークの際には高い位置合わせ精度や温度管理が求められます。
CSP実装とは、CSPパッケージをプリント基板上にはんだ接合する実装のことです。CSPはパッケージサイズが小さいため、限られた基板面積の中に多くの部品を配置する高密度実装に適しています。
特に、製品の小型化や薄型化が求められる分野では、基板上のスペースを有効活用できる点が大きなメリットです。半導体部品の実装面積を抑えながら、機器全体の機能性を高められるため、モバイル機器や通信機器、車載機器などでも活用されています。
ただし、CSP実装では部品サイズが小さい分、位置ずれやはんだ接合不良が発生した際の修正が難しくなります。実装後に不良が見つかった場合は、対象部品だけでなく周辺部品への熱影響も考慮しながら、慎重にリワークを行う必要があります。
CSP基板とは、CSP部品が実装されたプリント基板のことです。CSPは小型で実装密度を高めやすいため、CSP基板では周辺部品との距離が近くなるケースが多くあります。
そのため、CSP基板をリワークする際には、対象部品だけを適切に加熱し、周囲の部品や配線、ランドに余計なダメージを与えないように作業することが重要です。特に、部品の取り外し時にはランド剥離やパッド損傷、取り付け時には位置ずれや未接合、ブリッジなどに注意が必要です。
CSP基板のリワークでは、温度プロファイルの管理、部品位置のアライメント、基板の固定、作業後の検査までを含めて、工程全体を丁寧に確認することが求められます。
CSPとBGAは、いずれも半導体パッケージの実装で使われる形式です。どちらもパッケージ下面の端子を基板にはんだ接合するタイプがあり、接合部が外観から見えにくいという共通点があります。
一方で、CSPは半導体チップに近いサイズまで小型化されたパッケージであり、BGAよりも小型・薄型の実装に向いているケースがあります。BGAは多ピン化や高機能ICの実装に使われることが多く、CSPとBGAではサイズや用途、リワーク時の注意点が異なります。
| 比較項目 | CSP | BGA |
|---|---|---|
| 特徴 | 半導体チップに近いサイズまで小型化されたパッケージ | パッケージ下面にはんだボールを配置する実装形式 |
| 向いている用途 | 小型化・薄型化・高密度実装が求められる製品 | 多ピン化や高機能ICの実装が必要な製品 |
| リワーク時の注意点 | 部品が小さく、位置合わせや周辺部品への熱影響に注意が必要 | はんだボールの接合状態や加熱範囲の管理が重要 |
| 検査 | 接合部が見えにくいため、必要に応じてX線検査などを行う | はんだ接合部の確認にX線検査が用いられることが多い |
CSPとBGAは混同されることもありますが、リワーク時にはそれぞれのパッケージ構造やサイズ、端子形状、基板条件に合わせた作業が必要です。
CSPに限らず、基板リワークの際は温度管理が大切です。CSPは小型で熱の影響を受けやすいため、熱を加えすぎると、基板やチップが損傷する恐れがあります。反対に温度が低すぎると、はんだが十分に溶融せず、取り外しや再実装がうまくできない可能性があります。
リワークの際は、基板全体を適切に予熱しながら、対象部品周辺を温度プロファイルに沿って加熱することが重要です。局所的な過熱や急激な温度変化が起こると、CSP部品や周辺部品、基板パッドにダメージを与える可能性があります。
CSP基板では、対象部品の周囲に他の部品が密集している場合があります。そのため、リワーク時には対象のCSPだけでなく、周辺部品への熱影響も考慮しなければなりません。
加熱範囲が広すぎると、近接する部品のはんだ接合部に影響を与えたり、樹脂部品やコネクタなどが熱で変形したりする恐れがあります。必要に応じて、遮熱対策や適切なノズル選定、基板ホルダーによる固定などを行うことが大切です。
CSPの取り外しは、想像以上に技術を要します。取り外す際は、基板を損傷しないように丁寧に行いましょう。特に、はんだが十分に溶融していない状態で無理に部品を持ち上げると、ランド剥離やパッド損傷につながる可能性があります。
また部品を取り外す前に、基板上にある他の部品や配線に何らかの影響を与える心配がないか、チェックしておくことも大切です。取り外しに適した工具やリワーク装置を使用して、慎重に作業しましょう。
CSPはとても小さいため、取り付け位置の調整が難しい部品です。取り付ける位置がずれると、接触不良が発生する恐れがあります。
特にCSP実装では、端子ピッチが細かく、外観だけでは接合状態を確認しにくい場合があります。そのため、取り付け時にはアライメント精度が重要です。位置ずれがあると、未接合やブリッジ、導通不良につながる可能性があります。
部品を正確に取り付けるために、基板の設計や部品の向きを入念に確認したうえで、適切な工具やカメラ付きのリワーク装置を活用することが大切です。
CSPやBGAのように接合部が外観から確認しにくい部品では、リワーク後の検査も重要です。見た目では問題がないように見えても、はんだ接合部にボイドや未接合、ブリッジなどが発生している可能性があります。
必要に応じて、導通検査や外観検査、X線検査などを行い、リワーク後の品質を確認しましょう。特にCSP基板では部品が小さく高密度に実装されているため、作業後の検査体制を整えておくことが品質安定につながります。
鉛フリーに適している加熱システムのあるリワーク装置です。上部ヒーター・下部ヒーター・下部エリアヒーターの3つの加熱システム、そして2ポイントの自動プロファイル機能で、ワークごとに適した温度プロファイリングをモニタリングできます。また急冷機能もついており、はんだ付けの品質向上にもつながるでしょう。
CSPやBGAのように温度管理が重要な部品では、対象部品や基板条件に合わせて加熱を制御できる装置を選ぶことが大切です。
参照元:テクニトロン・サプライ(https://www.technitron.co.jp/3b5smtrew-2/bga-smt.html)
高出力のヒーターを搭載したリワーク装置です。リフローを終えてから、自動的に部品を持ち上げられる「オートリフト機能」を搭載しています。また、グリップホルダーやボードホルダーなどもしっかりと備えられており、作業がしやすいのが特徴です。
CSP基板のリワークでは、部品の位置ずれや基板への負荷を抑えるために、基板を安定して固定できるホルダーや、作業をサポートする機能が役立ちます。
参照元:太洋電機産業株式会社(https://www.goot.jp/products/detail/gsr_301)
CSPの基板リワークは、サイズが小さいことから、取り外しや取り付けの難しさが注意点です。また温度管理に関しても、小型のCSPは熱の影響を受けやすいため、その他の基板リワーク以上に気を付けなくてはなりません。
リワーク装置を選ぶ際は、CSPやBGAなどの小型パッケージに対応しているか、温度プロファイルを管理しやすいか、アライメントを確認しやすいか、基板サイズや周辺部品の条件に合っているかを確認しましょう。
また、CSP基板は高密度実装になりやすいため、作業者の技術だけに頼るのではなく、位置合わせや加熱制御、基板固定、検査工程をサポートできる装置を選ぶことが重要です。
以下のページでは、おすすめのリワーク装置メーカーを紹介しています。CSP実装やCSP基板のリワークに対応できる使いやすいリワーク装置メーカーをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
リワーク装置の新規導入・追加(入れ替え)にあたって、リワークが必要な対象製品ごとに、
おすすめのメーカー(海外メーカー代理店含む)及び製品をご紹介しています。
基盤が使われている製品によって特徴や仕様が大きく異なるので、
適切なリワーク装置を導入して作業効率の最適化を図りましょう。