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基板リワークのパターンカットについて

ここでは、基板リワークにおけるパターンカットの概要と具体的な事例について解説します。

基板リワークのパターンカットとは

パターンを除去する作業

基板リワークのパターンカットとは、何らかの理由で既存のパターンを除去する作業です。パターンとは、電子部品間を接続する配線(導体)のことを指します。パターンカットを行う主な理由として、設計ミスや試作後に判明した不具合への対応が挙げられます。基板を新たに製作することも可能ですが、コストや工数がかかるため、パターンカットなどのリワーク技術で対応する場合が少なくありません。

パターンカットの方法

パターンカットは、カッターナイフやデザインナイフを使用して行います。基本的な手順は以下の通りです。

  1. パターンの切断しやすい箇所を見つける
  2. パターンに1カ所目の切れ込みを入れる
  3. 1カ所目の切れ込みから少し離れた場所に2カ所目の切り込みを入れる
  4. 2つの切れ込みの間のパターンをカッターナイフでめくる
  5. パターンを取り除く
  6. テスタで通電がなくなったことを確認する
  7. パターンを取り除いた箇所にフラックスを塗布する

以上の手順に従って、パターンカットを実施できます。

パターンカットのコツ

パターンカットにはいくつかのコツがあります。意識したいポイントを以下に紹介します。

カッターナイフなどの刃先を使用すると、特定の箇所に力が集中し、刃が折れることがあります。刃全体を使用するイメージで切れ込みを入れることが重要です。基板が硬い場合は、ある程度の力を加えて深めに切れ込みを入れても問題ありません。ただし、作業は慎重に行う必要があります。

場合によっては、パターンが密集していることもあります。このような場合は、他のパターンを傷つけないように作業を進めることが重要です。マスキングテープを重ね張りして周囲のパターンを保護すると、作業を行いやすくなります。一定のリスクを伴うため、丁寧に作業を進めることが求められます。

基板リワークのパターンカット事例

密集した箇所のパターンをカットした事例

幅0.13mmのパターンをカットした事例を紹介します。パターンが密集していたため、他のパターンを傷つけないように実体顕微鏡を使用し、細心の注意を払って作業を進めました。ショートのリスクを回避するため、パターンを数ミリ除去した点も特徴です。

参照元:大阪マイクロコンピュータ株式会社(https://www.omc-ltd.co.jp/remodeling/3875/

ピン配列の間違いに対応した事例

設計者がピン配列を誤った事例を紹介します。今回はパターンカットで対応しましたが、リスクが高い場合は当該部品ICを外して近くに裏返しで固定したうえで、ジャンパー配線で対応する方法も考えられます。

参照元:アート電子株式会社(https://www.art-denshi.co.jp/%3Ftech%3D基板改造を効率よく行うための3つの着眼点

基板リワークのパターンカットについて確認しよう

基板リワークのパターンカットとは、不要となった既存のパターンを除去する作業を指します。パターンカットが必要になる主な理由として挙げられるのは、設計ミスです。パターンカットは、カッターナイフなどを用いて実施できます。ただし、パターンが密集している箇所の難易度は高いため、慎重に作業を進めることが重要です。

当サイトでは、基板リワークに活用できる装置を提供するメーカーを紹介しています。パターンカットに取り組みたい方は、以下の記事も参考にしてください。

メーカーと装置の特徴で選ぶ
おすすめリワーク装置メーカー3選

おすすめリワーク装置
メーカー3選
多数の自動化機能
専門知識がなくても操作簡単
メイショウ
メイショウ
引用元:メイショウ公式HP
(http://www.e-meisho.co.jp/)
メイショウの特徴
  • 部品の自動位置合わせ機能、自動はんだクリーニング機能により、スキル不要で操作可能
  • 複雑なヒーター温度設定は不要、自動で推奨プロファイルを表示

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装置から小型ツールまで
豊富な製品から選択
ダイナテックプラス
ダイナテックプラス
引用元:ダイナテックプラス公式HP
(https://dynatechplus.co.jp/)
ダイナテックプラスの特徴
  • 自動型リワーク装置から、手動タイプのリワークツールまで幅広いラインナップ
  • 電気式はんだごてを開発した世界的シェアを誇るドイツのメーカー

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4種類のはんだ除去機能
変則的なピッチに対応
シンアペックス
シンアペックス
引用元:シンアペックス公式HP
(https://shinapex.co.jp/)
シンアペックスの特徴
  • ピッチや配置に合わせて、4種類のはんだ除去パターンを選択可能
  • はんだ除去ヘッドは最大80mm、1回の作業で広範囲なはんだ除去を実現

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【サイトに掲載する会社について】 2021年11⽉時点、Googleで「リワーク装置」と検索し、検索結果10ページまでに表示された、リワーク装置メーカー9社、リワーク受託業者(EMS)19社をこのサイトに掲載しています。
本サイトに掲載する各社の情報は、公式HPを情報元としています。
【3社の選定理由】
メイショウ…「スキルレスな位置合わせ機能」「自動はんだクリーニング機能」「テスト基板不要の温度プロファイル機能」といった、スキルがない人でも操作可能な機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い(標準仕様)。
ダイナテックプラス…世界130ヶ国以上に装置を展開しており、ツール型からステーション型まで9種類の製品を提供している(2021年11⽉時点) 。
シンアペックス…「フルBGAパターン」「ペリメーターBGAパターン」「千鳥パターン」「リードパターン」といった、ピッチにあわせてはんだ除去する機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い。