ここでは、基板リワークにおけるパターンカットの概要と具体的な事例について解説します。
基板リワークのパターンカットとは、何らかの理由で既存のパターンを除去する作業です。パターンとは、電子部品間を接続する配線(導体)のことを指します。パターンカットを行う主な理由として、設計ミスや試作後に判明した不具合への対応が挙げられます。基板を新たに製作することも可能ですが、コストや工数がかかるため、パターンカットなどのリワーク技術で対応する場合が少なくありません。
パターンカットは、カッターナイフやデザインナイフを使用して行います。基本的な手順は以下の通りです。
以上の手順に従って、パターンカットを実施できます。
パターンカットにはいくつかのコツがあります。意識したいポイントを以下に紹介します。
カッターナイフなどの刃先を使用すると、特定の箇所に力が集中し、刃が折れることがあります。刃全体を使用するイメージで切れ込みを入れることが重要です。基板が硬い場合は、ある程度の力を加えて深めに切れ込みを入れても問題ありません。ただし、作業は慎重に行う必要があります。
場合によっては、パターンが密集していることもあります。このような場合は、他のパターンを傷つけないように作業を進めることが重要です。マスキングテープを重ね張りして周囲のパターンを保護すると、作業を行いやすくなります。一定のリスクを伴うため、丁寧に作業を進めることが求められます。
幅0.13mmのパターンをカットした事例を紹介します。パターンが密集していたため、他のパターンを傷つけないように実体顕微鏡を使用し、細心の注意を払って作業を進めました。ショートのリスクを回避するため、パターンを数ミリ除去した点も特徴です。
参照元:大阪マイクロコンピュータ株式会社(https://www.omc-ltd.co.jp/remodeling/3875/)
設計者がピン配列を誤った事例を紹介します。今回はパターンカットで対応しましたが、リスクが高い場合は当該部品ICを外して近くに裏返しで固定したうえで、ジャンパー配線で対応する方法も考えられます。
参照元:アート電子株式会社(https://www.art-denshi.co.jp/%3Ftech%3D基板改造を効率よく行うための3つの着眼点)
基板リワークのパターンカットとは、不要となった既存のパターンを除去する作業を指します。パターンカットが必要になる主な理由として挙げられるのは、設計ミスです。パターンカットは、カッターナイフなどを用いて実施できます。ただし、パターンが密集している箇所の難易度は高いため、慎重に作業を進めることが重要です。
当サイトでは、基板リワークに活用できる装置を提供するメーカーを紹介しています。パターンカットに取り組みたい方は、以下の記事も参考にしてください。
リワーク装置の新規導入・追加(入れ替え)にあたって、リワークが必要な対象製品ごとに、
おすすめのメーカー(海外メーカー代理店含む)及び製品をご紹介しています。
基盤が使われている製品によって特徴や仕様が大きく異なるので、
適切なリワーク装置を導入して作業効率の最適化を図りましょう。