基板リワークにおけるフラックス
基板リワークでは、はんだ付けの補助剤である「フラックス」を使用します。ここでは基板リワークに使用するフラックスの概要とフラックスを利用する際のポイントを紹介します。
基板リワークに使用するフラックスとは?
基板リワークに使用するフラックスは、はんだ付けの補助剤として用いられており、主成分は天然樹脂の松ヤニです。金属の表面に存在する酸化被膜は、はんだ付けを邪魔してしまいますが、フラックスを使用して酸化被膜を取り除くことで接合を促進します。通常ははんだの中に入っており、部品を実装する際にはんだを溶かすと、フラックスも一緒に流れ出します。はんだの拡がりが悪い場合は、フラックスを別途塗布して接合を促さなくてはなりません。
フラックスは主に3つの形状があります。
- 液状(ハケ)
液状でハケタイプのフラックスは、小瓶の中に入っており、キャップ側にハケが付いています。キャップを開けるだけですぐに塗布でき、基板リワークにも使いやすいタイプです。
- 液状(点滴)
液状のフラックスですが、ハケタイプとは異なり、キャップを開けてフラックスを滴下します。広い範囲に塗布する際に使用することが多く、基板リワークではあまり使用しません。
- クリーム
クリームタイプのフラックスです。使用時は、棒先などですくって塗布します。基板リワークでは、フラックスとはんだが混ざっている「クリームはんだ」と呼ばれるものを使用することが多くなります。
では実際にどのような作用があるのか、以下で詳しくまとめています。
- 清浄化作用
プリント基板へのはんだ付けは、ランドと呼ばれている銅が露出している部分です。金属には目には見えない元素である「酸化物」が付着していますが、ランドにも酸化物はあります。酸化物があるままだと、基板と部品がうまく接合しません。その際、フラックスを使用すると酸化物が除去でき、はんだの接合が促進されます。
- 酸化防止作用
はんだの主な成分は金属です。そのため、はんだ付けの後に空気に触れると少しずつ酸化します。酸化が進むと「腐食」し始め、機器の作動に影響が出てしまいますが、そこでフレックスを使用すると、はんだや部品の表面を被膜して酸化と腐食を防止できます。
基板リワークにフラックスを利用する際のポイント
フラックスの種類を選定する
フラックスは、主剤・活性剤・溶媒の3つの成分を組み合わせており、どのような構成材料が使用されているかによって役割や用途が異なります。
また、上記で紹介したように成分だけでなく形状も選定ポイントになるでしょう。液状のハケタイプや点滴タイプ、またはクリームタイプ、基板リワークの作業内容に合わせてフラックスを選定してください。より使いやすく効果が高いと感じるフラックスを見つけましょう。
作業中にガスを吸い込まないようにする
フラックスは、人体にはあまり良くない成分が含まれていることも多いようです。はんだ付けの作業中に発生するフラックスのガスは、できる限り吸い込まないようにしましょう。また、はんだ付けの最中にフラックスが飛散してしまう恐れもありますので、保護メガネをかけ、できる限り触れることのないように注意してください。
基板リワークにフラックスを活用しよう!
フラックスには、基板と部品の電気的結合を促す効果が期待できます。用途に合わせて適した成分を含むフラックスを選定し、基板リワークに上手に活用しましょう。
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