基板リワークのジャンパー改造は、回路を変更する必要がある際などに実施されます。具体的に、どのような作業なのでしょうか。ここでは、基板リワークにおけるジャンパーの概要、ジャンパー改造の目的などを解説するとともにジャンパー改造の事例を紹介しています。
ジャンパーは、基板などに設けられている離れた回路を接続する部品です。具体的には既存の配線をまたいで回路を接続する際に使用する部品を指し、例としてジャンパーピンやジャンパーワイヤーが挙げられます。以上の例からわかる通り単一の部品を指すわけではありません。特定の目的で使用される部品をジャンパーと総称しています。
ジャンパーは、主に同じシリーズの製品で機能を切り替えたいときや製品の不具合を修正したいときなどに用いられています。ちなみに、電子部品としての「jumper」は、「回路を飛び越えて接続する」というイメージから名付けられたと考えられます。
ジャンパー改造の目的は、ジャンパーを用いて新たな回路を接続する作業といえるでしょう。基板改造、基板改修のひとつです。何かしらの理由で、パターンを間違えたときや回路を変更したいときなどに行われます。具体的な目的は状況により異なります。作業の難易度も状況によって変わります。難易度の高い案件では、担当者の技量が品質や納期に影響を与える可能性があります。この点を踏まえて、ジャンパー改造を検討することが重要です。
隣接するQFNのピンからビアホールへジャンパー配線を行った事例です。実体顕微鏡を利用して酸化被膜を取り除いてから、はんだ付けを行っています。QFNのピン間寸法は0.5mm、QFNのパット幅は0.25mm、ジャンパー配線の長さは2~4mmです。
QFPの足を上げてジャンパー線をはんだ付けした事例です。足を何度も上下させると金属疲労で折れてしまうため、慎重に作業を進めています。ジャンパー線の引き回しについても同様です。ジャンパー配線後は、シリコンで固定しています。
スルーホールビアを用いたジャンパー改造の事例です。スルーホールビアは、全層を貫通した接続用のビアといえるでしょう。スルーホールランドが十分な強度を備えていない恐れがあったため、本事例ではスルーホールにジャンパー線を通しています。専門家の判断でクライアントの改造指示とは異なる改造方法を提案している点もポイントです。
ジャンパーは、既存の回路をまたいで基板などに取り付けられた回路を接続する部品の総称です。ジャンパー改造は、ジャンパーを用いて新たな回路を接続する作業といえるでしょう。パターンを誤った場合や回路を変更したい場合などに実施されています。作業の難易度によっては、担当者の技量が品質や納期に影響を与えることもありますので、理解を深めてから取り組むことが大切です。
以下の記事では、リワーク装置の選び方を紹介しています。基板リワークを検討している方は参考にしてください。
【サイトに掲載する会社について】
2021年11⽉時点、Googleで「リワーク装置」と検索し、検索結果10ページまでに表示された、リワーク装置メーカー9社、リワーク受託業者(EMS)19社をこのサイトに掲載しています。
本サイトに掲載する各社の情報は、公式HPを情報元としています。
【3社の選定理由】
メイショウ…「スキルレスな位置合わせ機能」「自動はんだクリーニング機能」「テスト基板不要の温度プロファイル機能」といった、スキルがない人でも操作可能な機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い(標準仕様)。
ダイナテックプラス…世界130ヶ国以上に装置を展開しており、ツール型からステーション型まで9種類の製品を提供している(2021年11⽉時点) 。
シンアペックス…「フルBGAパターン」「ペリメーターBGAパターン」「千鳥パターン」「リードパターン」といった、ピッチにあわせてはんだ除去する機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い。