基板リワークを行った後は、高精度な検査装置を用いた検査を行うことが重要です。代表的な検査として挙げられる「X線検査」と「プリズム検査」について紹介していきます。
X線検査は、リワークを行ったあとに接続確認などをする上で重要な検査です。
X線検査は、目では確認できないような問題を調べるために取り入れます。 例えば、BGAリワークについては、X線検査装置を用いてボール間ショート・位置のズレ・ボールの欠落・ボイドなどを検査できます。 また、QFN、LGAについては、電極部にショートが無いことや、実装位置にズレが発生していないかなどを調べる際にもX線を活用することが可能です。 コネクタについても同様で、リード部のショートが無いことや、実装位置のズレが発生していないかなどを調べる際にX線を活用します。
基板リワークの検査で使われるX線機器にはいくつかの種類があります。
例えば、株式会社アイビットの「オフラインX線自動検査装置 FX-300tRX」です。幾何学倍率は1,000倍であり、X線の出力は90kV、X線焦点径は5μ、15μ(切替)です。コンパクトなタイプのX線観察装置でもあります。
それから、SOFTEXの「WORK-LEADER」が使われることもあります。SOFTEX製マイクロフォーカスを搭載しているマシンで、高いコストパフォーマンスが期待できるのも特徴です。また、シャープでクリアな映像を目指しました。
プリズム検査とは、プリズムスコープを用いた検査のことです。X線では確認できないような検査が可能です。
X線は詳細な検査が可能ではありますが、すべての検査ができるものではありません。そこで、X線を用いた検査では不十分な場合や、X線検査が適さない場合に使用されるのがプリズム検査です。 例えば、はんだボールによって接続されているBGA・CSPを調べたり、顕微鏡では確認が難しいものをチェックしたりする際に使用されます。X線検査とプリズム検査を組み合わせて行うことにより、高い品質保持につなげることが可能です。
BGAについては、はんだボール部にショートがないか、BGAボールと基板パッドはズレていないか、はんだボールにはバラつきがないかなどを調べます。
QFN、LGAでは、電極部にショートがないか、実装位置はズレていないかなどを調べる際に活用可能です。 コネクタについては、プリズム検査を行うことにより、はんだショートがないか、実装位置はズレていないかなどを調べられます。
プリズム検査で使われる機器として、例えばマイクロ・スクェア株式会社の「BGAスコープ MS-1000A」が挙げられます。パソコンのモニター画面で拡大観察できるため、小さな問題点を見つけるのにも役立つでしょう。 カメラは200万画素CMOSで、20型モニター上では110倍までの倍率となっています。基板とBGAボールとの接合状態を確認したり、BGAボールの変形を確認したりするのにも役立つ機器です。 また、コンデンサーなどの実装部品の接合確認や、スルーホールの側面検査などにも活用されています。
基板リワークで品質を高めるためには、詳細な検査を行うことが欠かせません。そのために行われているのが、今回紹介しているX線検査やプリズム検査です。それぞれ得意としている検査内容が異なるため、必要に応じて使い分けていくことが重要といえます。
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