基盤リワークの工程として、アンダーフィル加工を施す場合があります。この記事ではアンダーフィル加工の基本情報や目的、工程について詳しく解説していきます。
BGA(Ball Grid Array)は、はんだボールを使ってプリント基板に取り付けられています。しかし、この接続方法は物理的な衝撃や基板の折り曲げによって、BGAが基板から取れるリスクやはんだの部分でクラックが生じる可能性があります。そのため、接続の安定性が低下することが懸念されます。
上記の問題に対処し、接続の信頼性を保つために、アンダーフィルという特殊な樹脂をBGAと基板の間に注入します。基板リワークのアンダーフィルは、以下の特徴や目的があります。
アンダーフィルは一般的に一液性加熱硬化型のエポキシ系の樹脂が使用されます。また、携帯電話や音楽プレーヤーをはじめとするモバイル機器などに多く使用されています。
アンダーフィル加工を行うことで、部品と基板の間の接続強度が増強されます。これにより、外部からの衝撃や応力に対する耐性が高まり、部品の脱落やはんだ接合部でのクラック発生のリスクが低減します。
アンダーフィルは熱伝導性に優れており、部品からの熱を効果的に放散させる役割を果たします。これにより、部品の過熱を防ぎ、長期間の安定した動作が期待できます。
封止樹脂としてのアンダーフィルは、部品を外部環境の影響から守る重要な役割を持っています。湿度や塵、その他の外部要因から部品を保護し、部品の寿命や性能を維持します。
アンダーフィルは、部品と基板間の熱や機械的応力の差を緩和する役割があります。部品と基板の熱膨張率の違いによる応力を軽減し、接続部の劣化やはんだクラックを防ぐ役割も果たします。
アンダーフィル付き基板リワークの一般的な工程は、以下の手順で行います。
上記の工程を適切に実行することで、アンダーフィル付きの基板リワークが完了します。ただし、アンダーフィル付きの基板リワークを行う場合、いくつか注意点があります。
アンダーフィル剤は、リワークが可能なものとそうでないものがあります。具体的には、硬化しても部品を取り外したり、固まった材料を取り除いたりできるタイプのものは「リペア性付与」と記載されています。
しかし、すべてのアンダーフィル剤が上記に該当するわけではなく、メーカーが「リワーク可能」と明示しているものだけが該当します。リワークの指示がないアンダーフィルを使った場合、リワーク作業が難しくなる可能性があります。
基板にアンダーフィルを施すことで多くのメリットがありますが、その分リワーク作業で一手間増えることになります。そのため、適切なリワーク装置の選定が作業の効率化につながるでしょう。
本サイトでは確認しておきたいリワーク受託業者について、特徴やおさえておきたいポイントを含めて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。各社で対応している範囲・温度管理の方法などが異なるので、自社で求めているリワークに対応可能か事前によく確認が必要です。
リワーク装置の新規導入・追加(入れ替え)にあたって、リワークが必要な対象製品ごとに、
おすすめのメーカー(海外メーカー代理店含む)及び製品をご紹介しています。
基盤が使われている製品によって特徴や仕様が大きく異なるので、
適切なリワーク装置を導入して作業効率の最適化を図りましょう。