リワーク装置を選ぶ際には、それぞれの装置について知っておくことが大切です。そこでこちらのページでは、リワーク装置における加熱性能のポイントに加えて、さまざまな加熱方法についてまとめています。
リワーク作業を行う際に大切なポイントは「基盤上の単一の部品に対してのみの加熱」を行い、「周囲に影響がないように配慮されている」という点です。そのため、リワーク装置に搭載される加熱性能においては、下記の点をクリアすることが必要となってきます。
基盤リワークの加熱方法には、「はんだごて」「遠赤外線方式」「熱風方式」「ホットプレート方式」「光ビーム方式」といったものがあります。ここではそれぞれの特徴についてまとめています。
基盤リワークの加熱方法として一般的なのがはんだごてを使った方法です。表面実装を行っているチップ部品については、はんだごてを使って再度加熱を行い取り外すという流れで作業が行われます。ただし、リワークの難易度は部品の大きさに左右されるという面があります。例えば1608サイズ程度であれば問題なくリワークが可能であるものの、サイズが小さくなるほどに難易度が高くなるという傾向が見られます。
このはんだごてを使って部品を取り外す作業については、手作業であることから技術者の腕に左右されるという面もあります。
遠赤外線ヒーターがリワーク装置に取り付けてあり、ヒーターを熱することによって発する放射熱で基盤を温めてリワークを行う方法が遠赤外線方式です。リワーク装置を提供するメーカーでは、基盤の種類や条件などに合わせた温度プロファイルを持っています。
また近年では片面から温めるのではなく、上部ヒーターと下部ヒーターを用いて両面から熱を与える方法が主流として用いられています。そのため、リワークを行う際に細かく温度管理をしたいと考えている場合には、温度センサを貼り付けておくことによってプロファイル温度管理ができるようになります。
リワークを行う部分に熱風を当てることによって温める方法です。一見、部品の周りへの影響が出るのではないかと思いがちですが、加熱・温度管理を行うためにエリアを細かく分けた上でプロファイル温度設定を行えるシステムを提供しているメーカーもあるため、厳しい条件下でも対応できるものもあります。さらに、熱風方式の場合も細かい温度管理に対応することが可能です。
また、ヘッドに熱風を熱伝導させることによってピンポイントに加熱を行える機能を搭載したタイプも用意されています。
ホットプレート方式とは加熱面積が異なる複数のプレートを交換して、局部加熱を行っていく方法です。例えば大型の基盤のリワークを行いたいという場合でも、位置決めを行うためのレーザーポインタによって修正する場所を簡単に把握できる、という機器もあります。
光ビーム方式とは、光源にハロゲンランプを使用している点が特徴です。このことにより、小さなスポットに集光して熱を発生させ、はんだ付けを行う方式となっています。こちらの方式は、熱光線によってはんだ付けを行えるため、はんだごてで作業を行えないような小さなスペースでのリワーク作業にも対応できる点もポイントとなっています。
こちらの記事では、リワーク装置の加熱性能に関するポイントに加えて、基板リワークの加熱方法の種類についてまとめてきました。リワーク装置はさまざまなものが提供されていますので、各装置の特徴をしっかりと確認した上で自社に合ったものを選ぶことが大切です。
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本サイトに掲載する各社の情報は、公式HPを情報元としています。
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メイショウ…「スキルレスな位置合わせ機能」「自動はんだクリーニング機能」「テスト基板不要の温度プロファイル機能」といった、スキルがない人でも操作可能な機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い(標準仕様)。
ダイナテックプラス…世界130ヶ国以上に装置を展開しており、ツール型からステーション型まで9種類の製品を提供している(2021年11⽉時点) 。
シンアペックス…「フルBGAパターン」「ペリメーターBGAパターン」「千鳥パターン」「リードパターン」といった、ピッチにあわせてはんだ除去する機能がリワーク装置メーカーの中で最も多い。