デバイスの中には、ヒートシンクと呼ばれる部品がついているものがあります。ここでは、デバイスのヒートシンクとはどのようなものなのか、ヒートシンク付きデバイスの基板リワークはどういった形で行うのかなどを解説します。
ヒートシンクは、どういった役割を持った部品なのでしょうか。概要から紹介します。
ヒートシンクは日本語だと「放熱器」と呼ばれ、熱を吸収して空気中に放熱する役割を持っている部品です。冷却のために使用されます。半導体は電気を流すことによって熱を帯びますが、この熱が半導体の性能を低下させてしまうことがあります。
熱が蓄積すれば、故障してしまう可能性もあるため、これらのトラブルを避けるために冷却しなければなりません。
ヒートシンクは、熱伝導の仕組みを利用した部品です。個体が接触すると接触面から熱が伝わる「熱伝導」が起こります。この熱伝導によって生じた熱を受け取り、熱を持ったものが移動して熱を伝える「熱対流」、電磁波によって熱エネルギーが放射される「熱放射」などの原理で空気中に熱を逃がします。
熱伝導性が高い理由からヒートシンクは主に銅とアルミニウムで作られています。なお、非常に単純な原理であることから、電源は必要としません。
ヒートシンク付きデバイスの基板リワークは、どのような形で行うことになるのでしょうか。押さえておきたいポイントを解説します。
ヒートシンクがついている場合は、基本的にそれを取り外してから基板リワークすることになります。ヒートシンクを取り外す工程で基板に負担をかけてしまう可能性があるため、慎重に行わなければなりません。
どのような方法でヒートシンクが取り付けられているのかによって難易度が変わります。例えば、クリップによって取り付けられているものは簡単に取り外せるのですが、接着剤で取り付けられている場合、リワークは困難です。はんだ付けされている場合は、ヒートガンやはんだごてなどを用いて取り外します。
ヒートシンクを取り外した後は通常どおりにリワークします。不良となった半導体や電子部品などを取り替えたり修理したりしましょう。部品交換のほか、BGAリワーク、BGAリボールなど、適した方法で進めていきます。その後、必要に応じて再度ヒートシンクを取り付ける必要があります。
またリワークが必要になる可能性を考えると、ヒートシンクの取り外しが簡単に行える方法を選択するのがおすすめです。クリップを使った方法は取り外しが簡単に行えますが、クリップによる局部的な刺激が発生する可能性を考えておかなければなりません。そのため、クリップであっても取り付けおよび取り外しをする際には慎重な作業が必要です。
ヒートシンクの役割や原理、ヒートシンク付きデバイスの基板リワーク方法を紹介しました。ヒートシンクが付いていないものと比較するとリワークが難しくなるので、慎重に対応しなければなりません。
以下のページでは、リワーク装置の特徴から選べるようにおすすめリワーク装置メーカーを紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
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