基板リワークを行う上では、どのようなパッケージ形状の種類があるか知っておく必要があります。ここでは、パッケージ形状の一つであるQFNとは何か、QFNを基板リワークする際には何に注意しなければならないのかなどを解説します。
QFNとは「Quad Flat Non lead package」の頭文字を取ったもので、表面実装パッケージの一種です。大きな特徴として、リードピンがない薄型小型のパッケージであることが挙げられます。
リードがあるとパッケージが大きくなってしまいますが、QFNの場合はほぼチップサイズと同サイズでパッケージを作れるのが特徴です。そのため、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなどのほか、小型・軽量化が必要な製品に多く使われています。
主な形状は、正方形または長方形です。低コストで製造できることから、大量生産をする場合などにも選ばれているパッケージです。
QFNを基板リワークする場合に、いくつか注意しなければならないことがあります。ここでは、注意点を解説します。
特に注意しなければならないのが、リワークする際に近隣電子部品に与えてしまう熱的影響に関することです。
リワークを行う際には、はんだを溶かすために加熱しなければなりません。最も一般的なのは、はんだごてを使って加熱する方法です。ですが、はんだごてでは近隣電子部品への影響が大きいと考えられる場合、遠赤外線方式や熱風方式などについても検討が必要になります。
近隣電子部品に対する熱的影響をゼロにするのは難しいですが、できるだけ抑えられる方法を選択することが重要です。
基板やデバイスが剥離してしまうリスクを抑えるために、基板をベーキングしておいた方が良いでしょう。乾燥炉などを使って乾燥させ、湿気を飛ばす処理です。
パッケージに使用されている樹脂は吸湿性を持つことから、たくさん水分を含んだ状態でリワークしてしまった場合、その水分が気化してパッケージが割れてしまう恐れがあります。
また、目に見えない小さな損傷が発生してしまうこともあるため、しっかりベーキングしましょう。
リワークで取り外した部品を再利用した場合、品質保証の対象外となってしまうことがあります。
そのため、リワーク後に実装部品を再利用したいと考えているのであれば、事前に部品メーカーに問題ないか問い合わせをしておいた方が良いでしょう。
どういったリワーク条件を設定するかについては、事前に良く検討が必要です。
どのようなプリント基板が使用されているのか、実装部品の熱容量はどうなっているのかなどから判断し、適したリワーク条件の設定を行わなければなりません。
QFNはリードがないため、チップサイズと同等のサイズでパッケージが作れるなどのメリットがあります。
ただ、リワークする場合は熱的影響についての検討が必要だったり、しっかりとベーキングしておかなければなかったりする点にも理解が必要です。
当サイトでは、リワーク装置の特徴から装置を選べるように、おすすめリワーク装置メーカーを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
リワーク装置の新規導入・追加(入れ替え)にあたって、リワークが必要な対象製品ごとに、
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基盤が使われている製品によって特徴や仕様が大きく異なるので、
適切なリワーク装置を導入して作業効率の最適化を図りましょう。