BGA(Ball Grid Array)は、ICパッケージの裏面に格子状のはんだボールを配置した構造の部品です。実装後は接合部が部品の底面に隠れるため、外部から目視で状態を確認できません。
通常のはんだごてによる手作業では端子にアクセスすること自体が不可能であり、BGAの取り外しや再はんだ付けには専用のリワーク装置が求められます。基板全体を加熱するリフロー実装とは異なり、BGAリワークは「不具合がある部品のみを局所的に加熱して取り外し、新しい部品へ交換する作業」です。周囲の正常な部品への熱影響を最小限に抑えられる点が、大きな特徴といえるでしょう。
BGAは精密部品であり、単価が高く調達にも時間がかかります。基板ごと廃棄するのではなく、部品単位で交換・再利用ができるリワーク技術は、コスト削減と納期短縮の両面で製造現場を支えています。
BGAリワークは複数の工程で構成されており、各段階で専用装置が使用されます。ここでは一般的な作業フローを順に紹介します。
BGA部品や基板に含まれる湿気は加熱時に内部気泡の原因となるため、まずは除湿・ベーキング処理を実施します。あわせてAXI(自動X線検査装置)で不具合を診断し、はんだ未濡れ・オープン不良・ショートなどの箇所を特定します。
専用装置や吸い取り線を用いて、パッド上の残留はんだを除去します。フラックス残渣や酸化物も洗浄溶剤で丁寧に清掃し、基板側をフラットな状態に整えます。
再利用するBGA部品には「リボール」を施します。旧はんだを取り除いたうえで、専用ツールを用いて新しいはんだボールを再形成する工程です。
リフロー時の濡れ性を確保するため新鮮なフラックスを塗布したのち、光学アライメントシステムで高精度な位置合わせを行います。位置が決まったら、対象部品に合わせた温度プロファイルに基づいて再リフロー(局所加熱)を実施します。
最後にX線検査ではんだボールの形状・ボイド(気泡)・配列を確認し、電気的検査で接続の健全性が保証されれば完了です。
BGAリワークの加熱工程は、「プリヒート(予熱)→ソーク(均熱)→リフロー(本加熱)→クールダウン(冷却)」の4段階で構成される温度曲線(プロファイル)に沿って管理する必要があります。
急激な温度上昇は基板の反りやクラック、ランド剥離を引き起こすリスクがあるため、段階的な加熱で熱応力を分散させることが品質維持の前提条件です。部品ごとに耐熱温度が異なるため、対象に応じた設定が欠かせません。専用リワーク装置には過去の実績をもとにしたプロファイルデータベースが蓄積されており、手作業では不可能な精密な温度制御の再現性を高めています。
BGAは接合部が部品の底面にあるため、実装時に目視で端子の位置を合わせることができません。そこで活躍するのが、リワークステーションに搭載された光学(ビジョン)アライメントシステムです。
プリズムや高解像度CCDカメラを用いて「基板側のランド」と「部品側の端子」を同時に映し出し、正確に位置を補正します。わずかな位置ずれがショートなどの接続不良に直結するため、人の感覚に頼らない再現性の高い位置合わせが品質の要となります。
BGAリワークで発生しやすいトラブルと、その対策をまとめました。
これらのトラブルは、温度管理が難しい手作業や簡易工具での加熱時に起きやすい傾向があります。プロファイル制御と光学アライメントを備えた専用リワーク装置の導入が、確実な根本的解決策といえるでしょう。
BGAは構造上、目視確認や手作業での対応ができないため、専用装置を用いた精密なリワーク作業が前提となります。「温度プロファイル管理」による加熱工程の安定化と、「光学アライメント技術」による位置合わせの精度確保が、品質維持に直結します。
高性能なリワーク装置の導入は、品質の安定化に加え、工数削減やコストの適正化など多くのメリットをもたらします。導入にあたっては、自社の製造工程や扱う基板に合わせて、各メーカーの仕様や実績をしっかりと比較検討することが重要です。
リワーク装置の新規導入・追加(入れ替え)にあたって、リワークが必要な対象製品ごとに、
おすすめのメーカー(海外メーカー代理店含む)及び製品をご紹介しています。
基盤が使われている製品によって特徴や仕様が大きく異なるので、
適切なリワーク装置を導入して作業効率の最適化を図りましょう。