「外注先とのやり取りに時間がかかる」、「リワーク費用がかさんでいる」そうした課題から、リワークの内製化を検討し始めた担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、リワークを自社で行う内製化のメリットに加え、外注を継続する場合と自社導入する場合の費用構造の違いを解説します。自社にとって内製化が適した選択肢かどうかを判断する材料としてお役立てください。
基板リワークを外注から内製化に切り替えることで、開発スピード・コスト・技術力という3つの面でメリットが生まれます。それぞれどのような効果が期待できるのか、詳しく見ていきましょう。
外注でリワークを依頼する場合、基板の発送や返送にかかる時間に加え、外注先の作業待ちによるタイムロスが発生します。梱包や輸送の手間だけでも一定の日数を要するため、試作を重ねる開発フェーズでは、このやり取りがスケジュール全体に影響を及ぼすことも少なくありません。
一方、リワークを内製化すれば、不具合が発生した際にその場で対応できます。外注先とのスケジュール調整や輸送時間を省けるため、試作から検証までのサイクルを短縮しやすくなり、開発全体のスピードアップにつながります。
基板に不良が見つかった場合、内製化していなければ基板全体を作り直すか、外注先へ都度依頼する必要があります。しかし、リワーク装置があれば不良部品だけを交換できるため、基板を無駄にすることなく修理できます。
また、外注を続ける限り、依頼のたびに加工費や輸送費が発生し続けます。装置導入には初期費用がかかりますが、リワークの件数が多い現場ほど、外注費用の削減効果が積み重なり、中長期的な視点ではコストメリットを得やすくなる傾向があります。
外注に依頼していると、不具合の原因を突き止める工程もすべて外部任せになりがちです。自社内でリワークを行える環境があれば、疑わしい部品を正常な基板に入れ替えて検証するなど、不良箇所の切り分けを迅速に進められます。
こうした検証や修理を繰り返すことで、社内に修理技術や品質管理のノウハウが蓄積されていきます。外部に依存せず自社で不具合対応力を高めていける点も、内製化ならではの利点といえるでしょう。
内製化を検討する上で気になるのが、外注を続けた場合と自社導入した場合の費用差です。ただし、「内製化のほうが必ず有利」と一概に言い切れるものではありません。リワークの発生件数や現在の外注費用によって投資回収までの期間は変わってくるため、自社の条件に当てはめて試算することが重要です。
外注費用というと、1回あたりの加工費だけを思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし実際には、基板の梱包・輸送にかかる運賃、依頼のたびに発生する手配や進捗確認といった管理工数、さらにはやり取りにかかるタイムロスによる間接的な負担も継続的に発生します。これらは目に見えにくい分、積み重なると想像以上のコストになっている場合もあります。
内製化する場合、リワーク装置本体の導入費用が初期費用として必要です。装置費用のほか、作業者教育や検査体制の整備なども含めて初期投資として見込んでおくと安心です。一方で、導入後は電気代や消耗品費、作業にあたる人件費といったランニングコストが継続的に発生します。
外注継続時と自社導入時(内製化)とでは、発生する費用の項目自体が異なります。以下に整理しました。
初期費用をどの程度の期間で回収できるかは、月間のリワーク件数や、これまで外注に支払っていた費用によって変わります。導入を検討する際は、自社のリワーク件数と現行の外注費用をもとに、投資回収期間の目安を試算しておくことをおすすめします。
ここまでのメリットとコストを踏まえると、「試作や設計変更が多い企業」「リワーク件数が一定以上発生する企業」「外注納期が開発スケジュール全体のボトルネックになっている企業」が、内製化によるメリットを得やすいと考えられます。
一方で、リワークの発生件数が極端に少ない場合は、初期費用の回収に時間がかかる可能性もあります。導入前には、自社の状況に照らして投資回収の見通しを慎重に試算しておくことが大切です。
自社に内製化が向いていると判断した場合、次に重要になるのが装置選びです。内製化を成功させるポイントは、スペックの高さだけを追求することではありません。経験の浅い作業者でも安定した品質で作業できること、そして特定の技術者に頼らずに済む製品設計であることが、選定における重要な基準になります。
ここでは、購入・選定時に確認しておきたい装置スペックの基準として、「スキルレス(自動設定・自動位置合わせ)」と「熱制御・拡張性」という2つの観点から解説します。
リワーク作業では、部品ごとに適した温度プロファイルの設定や、部品の位置合わせといった工程が発生します。これらの工程を手作業で行う場合、担当者の経験や技術によって仕上がりに差が出やすくなります。
サンプル基板がなくても温度プロファイルを自動で取得できる機能や、画面上でのガイド機能、クリック操作のみで位置合わせができる自動アライメント機能を備えた装置であれば、若手やパート従業員への作業委託もしやすくなります。属人化を防ぎ、誰が作業しても一定の品質を保ちやすくなる点は、内製化を進める上で押さえておきたい基準です。
基板に急激な熱負荷がかかると、反りや断線といったトラブルにつながるおそれがあります。そのため、対象となる基板や部品に応じて温度を適切に制御できる装置かどうかを確認しておく必要があります。
あわせて、操作画面がわかりやすく、誰でも簡単に扱えるシステムであるかどうかも重要なチェックポイントです。加熱性能と操作性の両面から、属人化を防げる装置を選びましょう。
装置のスペックを確認したあとも、現場に導入する際にはいくつかの不安がつきものです。「作業者のスキル不足で品質にばらつきが出ないか」「熱負荷によって基板を傷めてしまわないか」「ランドが剥離してしまわないか」といった懸念は、多くの企業に共通する課題ではないでしょうか。
こうした不安に対しては、自動位置合わせ機能や温度プロファイル管理機能など、初心者でも扱える製品設計を備えた装置を導入することが解決策のひとつになります。ベテラン作業者の経験や勘に頼らずとも、一定の品質でリワークを行える環境を整えやすくなるためです。
また、「高価な装置を使いこなせるだろうか」「基板を壊してしまったらどうしよう」といった不安に対しては、導入前にショールームやテストルームでデモを実施できるメーカーを選ぶことが有効です。実際の操作感や作業品質を事前に確認できれば、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
装置のスペックを確認したあとも、現場に導入する際にはいくつかの不安がつきものです。「作業者のスキル不足で品質にばらつきが出ないか」「熱負荷によって基板を傷めてしまわないか」「ランドが剥離してしまわないか」といった懸念は、多くの企業に共通する課題ではないでしょうか。
こうした不安を解消するためには、前述した「初心者でも扱える自動化機能(スキルレス設計)」を備えた装置を選ぶことがポイントとなります。そのうえで、有効な解決策となるのが「導入前にショールームやテストルームでデモ(実機テスト)を実施できるメーカーを選ぶこと」です。自社の基板を持ち込んで実際の操作感や作業品質を事前検証できれば、現場の不安を解消し、導入後のミスマッチを確実に防ぐことができます。
基板リワークの内製化には装置導入という初期費用がかかりますが、不具合が出た基板や部品を無駄にせず再利用でき、納期短縮やコスト削減といったメリットが得られる点は見逃せません。外注から内製化への切り替えを検討する際は、自社の製造工程や扱う基板、リワーク製品に適した装置を比較検討することが重要です。
まずは自社の製造工程や扱う基板に合ったリワーク装置を把握したうえで、比較検討を進めましょう。当メディアでは、リワーク対象製品別におすすめのリワーク装置メーカー・取り扱い業者を紹介しています。自社に適した失敗しない装置選びの参考として、ぜひあわせてご覧ください。
リワーク装置の新規導入・追加(入れ替え)にあたって、リワークが必要な対象製品ごとに、
おすすめのメーカー(海外メーカー代理店含む)及び製品をご紹介しています。
基盤が使われている製品によって特徴や仕様が大きく異なるので、
適切なリワーク装置を導入して作業効率の最適化を図りましょう。